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研究室代表からのご挨拶




資源と素材を繋ぐ環境調和型テクノロジーの創造

資源処理・環境修復工学研究室教授 笹木 圭子

資源処理・環境修復工学研究室は、名称こそ変化しながらも九州大学の歴史とともに100年以上の長いあゆみを重ね、資源と素材の間に横たわるあらゆる工学課題の発見と克服を目指す研究と教育に携わってきました。かつて産業の動脈を支えてきた鉱山工学は、現在総合工学の一分野として、地球資源システム工学となり現在も脈々と受け継がれています。



資源採取から利用までの工程を川の流れにたとえ、地球資源システム工学において、もっとも下流域に位置づけられる資源処理工学と環境修復工学とは、資源のアウトプット段階を扱う領域であるだけでなく、同時に、新たなサプライチェーンのインプット段階を扱う領域でもあります。さらにこの考え方は、地球上の天然資源だけではなく、金属製品の廃棄物(都市鉱山)や、地球外資源の素材化の入り口に位置づけられる対象にも向けられ、拡張していきます。要は、資源から素材にグレードアップするときに、もっとも純度の桁を上げる分離・精製のミッションが資源処理工学には在り、環境修復工学はその裏返し、つまり不要なものや忌避元素を分離し安定化する役目があります。



わが研究室の研究成果を長い間みていると、地球の宝庫にはまだまだ知られざる能力が眠っていると思われます。固体である鉱物に作用しそれを分解する微生物、光に感応して光エネルギーを化学エネルギーに変える鉱物、それを補助する鉱物、鉱物微粒子を凝集させる天然有機物、ほんの少しの人の手を加えるだけで生まれ変わる自然がありふれたところにあることに気づきます。



2011年には東日本大震災が起き、原子力発電所からの放射性廃棄物の漏洩が大問題となりました。さらに2020年には世界的な新型コロナウイルスパンデミックがすべての人間活動を判断する最上位におかれ行動制限を強い、経済活動を止め、われわれの生活を大きく根底からひっくり返そうとしています。誰も予測しなかったことが突然起きているようなこの凄い時代に生きているわたしたちには、足元の取り組みを最大限活用すべく、統合力と柔軟性をもった視点で総合工学にあたることが真に求められていると思えます。



国連が掲げる持続可能な発展目標Sustainable Developing Goals (SDGs)に貢献できる最も近いところにある総合工学に携わる者として、わたしたちは、世界に向けて資源と素材を繋ぐ環境調和型テクノロジーの創造を発信する存在でありつづけたいと願っています。



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