九州大学大学院工学府 地球システム工学工学専攻資源処理・環境修復工学研究室
Laboratory of MINERAL PROCESSING,
RECYCLING and ENVIRONMENTAL REMEDIATION

GREETINGご挨拶

研究室代表からのご挨拶

 資源と素材を繋ぐ環境調和型テクノロジーの創造
資源処理・環境修復工学研究室 教授 沖部 奈緒子

prof.Okibe

 

資源処理・環境修復工学研究室は、名称こそ変化しながらも九州大学の歴史とともに100年以上の長いあゆみを重ね、資源を素材へ変換する上で現れる様々な工学課題の克服を目指す研究と教育に携わってきました。かつて各種産業の動脈を担っていた鉱山工学は、今日は総合工学の一分野である地球資源システム工学として、脈々と受け継がれています。

九州大学では7つの研究室が地球資源システム工学科/専攻を構成し、川の流れに例えた資源開発プロセスの上流から下流を網羅しています。この最下流に位置する資源処理・環境修復工学研究室は、資源を素材へアウトプットする領域を扱うと同時に、新たなサプライチェーンへのインプットを扱います。つまり、地下の天然資源(一次資源)だけではなく、地上の都市鉱山廃棄物(二次資源)を素材化していくにあたり、資源処理工学には有価物の純度の桁を上げる分離・精製の役割が在り、その結果生じた不要元素や忌避元素を不動化・除去する役目が環境修復工学にはあります。

概して地球環境への負担が大きい資源開発プロセスにおいて、新しい環境調和型の資源処理工学・環境修復工学を提案する使命が私たちにはあります。地球上の全ての元素は地球生物化学的に循環しています。つまり、地球上の生命やその代謝物は、地殻中の金属元素や鉱物と化学反応を起こすことで、その循環に関わりながら進化してきました。このような洗練された自然反応を見出し、効率化し、応用することで、持続可能な発展目標Sustainable Developing Goals (SDGs)に貢献できるテクノロジーに仕上げることが可能です。絶えず新しく斬新なアイデアを提案し、世界に向けて環境調和型技術を発信する存在でありたいと思います。