九州大学大学院工学府 地球システム工学工学専攻資源処理・環境修復工学研究室
Laboratory of MINERAL PROCESSING,
RECYCLING and ENVIRONMENTAL REMEDIATION

RESEARCH THEME研究テーマ

研究室テーマ/3本の柱

 

当研究室では、循環型社会の形成という使命のもと、以下のように選鉱・湿式製錬・環境浄化という3本柱を立て、金属資源処理の上流から下流を含む研究に取り組んでいます。

 

具体的には、各テーマに沿った3つのグループを構成し、それぞれで基礎・応用研究を行いますが、どのグループもSustainability(循環型社会の形成)という大きな方向性の元、概念や手法を共有することが多くあるため、従来の学問分野の垣根を超えた、分野融合的で先駆的なアイディアと前進的な思考力が重要となります。

そのためグループ毎にWeeklyゼミを行い、グループ内で研究進捗状況を共有し、そして研究室全体のFridayゼミでは、全員持ち回りで国際論文を紹介する「雑誌会」を行い、分野を横断したテーマについて討論します。

 

▼ 選鉱(浮選)グループ / Flotation Group のテーマ
▼ 湿式製錬(リーチング)グループ / Leaching Group のテーマ
▼ 環境浄化グループ / Remediation Group のテーマ

2023年度の研究テーマ

選鉱(浮選)/ Flotation Group

代表的な選鉱技術として、主に天然鉱物資源(海底資源含む)の高度な浮遊選鉱技術を開発します。 最新のアプローチとしては、無害な有機酸やナノ粒子による鉱物粒子修飾を基盤とした新規のGreen Flotation”を提案しています。

 

■ 海底熱水鉱床(複雑硫化鉱)Project
  Zn, Cu, Pb選択浮遊選別
   有機酸・ナノ粒子を用いた“Green Flotation”新技術の開発


■ 難処理銅鉱石からの選択浮遊選別による不純物(As, Mo)除去
   酸化法、還元法を用いた高効率選択浮遊選別


■ 超微量粉末電極法を用いた硫化鉱物反応挙動の解明
   湿式製錬における応用
   浮遊選別における応用


■ 石炭高品位化のための浮遊選別の適用
   灰分除去のための浮遊選別の利用
   硫黄分除去のための浮遊選別の利用


■ 新規浮選剤としてのバイオナノメタル生成法の開発

湿式製錬(リーチング)/ Leaching Group

天然鉱物資源(海底資源含む)に加え、都市鉱山資源(電子基板、廃触媒・電池など)から有価金属を回収する為の新たな湿式製錬技術を開発します。バイオリーチング・ケミカルオーガニックリーチングなど、環境負荷の低い新規リーチング法を提案しています。

 

■ 海底熱水鉱床(複雑硫化鉱)Project
  アミノ酸・有機酸を利用した選択的オーガニックリーチング
  海水を利用したClリーチング


■ 海底コバルトリッチクラスト(CRC)Project
   還元的バイオリーチング
   有機酸を利用した還元型/錯形成型リーチング


■ 難溶解性Cu-As硫化鉱 Project
   カーボン添加によるEh制御バイオリーチング
   弱鉄酸化細菌を利用したEh制御バイオリーチング


■ インドネシア産 ニッケルラテライト鉱 Project
   有機酸による選択的Ni浸出沈殿法の開発


■ 廃電子基板リサイクル Project
   生体アミノ酸によるCuの選択浸出・沈殿法の開発
  アミノ酸-チオ硫酸ハイブリッド法による金リーチング法の開発


■ 廃触媒リサイクル Project
   競合型オーガニックリーチングによるCo/Niの選択浸出回収法の開発


■ 金属リーチング液からのバイオナノメタル生成技術の開発
   金属還元菌および還元性腐食物質を利用した貴金属(Au, Pt, Pd)ナノ粒子生成法の開発

環境浄化(レメディエーション) / Remediation Group

製錬廃液や坑廃水に含まれる有害金属の除去や、有価金属の回収を目的とした水処理法の中でも、特にパッシブトリートメント技術の開発に焦点をあてています。 バイオプロセス・ハイブリッドプロセス・廃棄物再利用プロセスなど多角的で新しい反応を構築し、技術に仕上げます。

 

■ マンガン汚染のPT(パッシブトリートメント)Project 
   Mn酸化菌およびバイオミネラルを用いたセミパッシブプロセスの開発


■ ヒ素汚染浄化 Project
   自己再生型バイオMn酸化物を利用した亜ヒ酸の連続酸化処理法の開発
   廃棄Feスラッジを吸着材としたAs除去法の開発
   ヒ素酸化細菌による亜ヒ酸の連続酸化処理法の開発


■ バイオスコロダイト Project
   超好酸好熱性 鉄ヒ素酸化アーキアを利用したバイオスコロダイト生成による製錬廃液処理法の開発


■ 菱刈鉱山 ヒ素処理 Project
   現場からのヒ素酸化微生物の探索
   PT導入を目的とした、現場でのAs自然減衰機構の解明

 

 いずれのテーマも、実験とディスカッションの積み重ねにより研究を進めます。ラボスケールでの基礎・応用試験から産学連携に基づく実用化試験まで幅広く行い、学問ベースとしては、粉体工学・界面化学・電気化学・鉱物学・生物工学・分子生物学など様々な知識を複合してアプローチしています。

 

有限な資源・エネルギーと環境制約のもとで、持続可能な循環型社会の形成に貢献する総合工学を目指し、その鍵となる資源処理技術と環境保全技術に関する新しい知見を創出していきます。